だったらボードゲームに夢中になれるの?
以前の記事「何かに夢中になってる人って、まぶしくない?」では、何かに夢中になっている人への憧れや、自分にも夢中になれるものがあるのだろうか、という話をしました。
では、ボードゲームなら夢中になれるのでしょうか?
答えは『分かりません』
私はボードゲームに夢中になった一人ですが、誰もが同じように楽しめるとは思っていません。
そもそも、一度遊んで「面白い」と感じることと、何度も遊びたくなるほど夢中になることは、同じではありませんし。
それでも、夢中になれるものとの出会いは、何かを実際に体験するところから始まることがあります。
そして私は、ボードゲームには、その最初の一歩として試してみる価値があると考えています。
なぜそう思うのか。私自身の経験と、ボードゲームカフェで出会った人たちの話を交えてお伝えします。
私は「対話」に夢中になった
私がボードゲームに魅力を感じる理由の一つは、人との対話です。
対話といっても、言葉を交わすことだけではありませんよ。
相手が何を考えているのかを想像する。
相手の行動から意図を読み取る。
自分の行動でそれに応える。
そんな、言葉のないやり取りも含めた対話です。
例えば、私の大好きな『カタン』というボードゲームがあります。
『カタン』では、資源を集めて道や開拓地を建設し、島の開拓を進めていきます。
プレイヤー同士で資源を交換する交渉もありますが、私が面白いと感じるのは、それだけではありません。
相手がどこに道を伸ばそうとしているのか。何を狙って資源を集めているのか。
相手の行動を見て、自分の次の一手を考える。
そして、自分の選択に対して、相手がまた違う行動を取る。
こうしたやり取りが、私にはたまらなく面白いのです。
もちろん、対話はボードゲーム以外でも楽しめます。
ただ、ボードゲームには、ルールや仕組みそのものが、人と人とのやり取りを生み出すという特徴があります。
例えば、普段は交渉をしない人同士でも、ゲームの中では資源を交換するために相談することがあります。
というか日常生活で交渉するってどういう状況って感じですよね。笑
相手の考えを読むことが得意だと思っていなかった人も、勝つために相手の行動を予想する場面に出会います。
ゲームのルールが、普段とは違う行動や関わり方をするきっかけになるのです。
私は、そうした体験に魅力を感じて、ボードゲームに夢中になりました。
同じゲームでも、面白いところは違う?
ところが、以前『カタン』について話していた人から、こんなことを聞いたことがあります。
その人は、盤面上の戦略や、カードを使う順番、建設する順番などを考え、意思決定の上手い下手を競うことに面白さを感じる人でした。
そして、その人は『カタン』があまり好きではないと話してくれました。
私が魅力を感じている対話や交渉よりも、戦略的な判断そのものを深く楽しめるゲームを好んでいたのです。
同じボードゲームを遊んでいても、何を面白いと感じるかは人によって違います。
相手との交渉が好きな人もいれば、自分の計画を組み立てることが好きな人もいる。
協力して何かを達成することが好きな人もいれば、相手を出し抜く駆け引きが好きな人もいるでしょう。
ボードゲームの面白さは、一つではない
作品によってルールや仕組みが違うからこそ、そこで生まれる体験も変わります。
私が『カタン』に夢中になった理由と、あなたが何かのゲームを面白いと感じる理由は、同じでなくていいのです。
そして、一つの作品が好みに合わなかったとしても、それだけでボードゲーム全体が合わないと決まるわけではありませんよ。数百数千の種類がありますからね。
やってみたら、意外と面白いこともある
ボードゲームカフェで働いていると、実際に遊ぶことで、お客さんの反応が変わる場面に出会います。
以前、友人たちと来店された男性がいました。
最初は、あまり乗り気ではないようにも見えました。
そこで、まずは協力して楽しめる『イト(ito)』というゲームを紹介しました。
その後、お客さんたちの様子を見ながら『サンレンタン』、そして『ごきぶりポーカー』というゲームを紹介しました。
『ごきぶりポーカー』は、相手にカードを渡しながら、嘘をついたり、相手の嘘を見抜いたりするゲームです。
それまでの2つのゲームとは違い、相手を疑ったり、出し抜いたりする駆け引きが中心になります。
その男性は『ごきぶりポーカー』で負けてしまったのですが、その後、自分からこう言いました。
「もう一回!」
なぜそう言ったのか、本人に確かめたわけではありません。
負けた悔しさだったのか、友人たちとの時間が楽しかったのか、ゲームそのものを気に入ったのか。
理由は分かりません。
ただ、最初は乗り気ではないように見えた人が、実際に遊んだ後、自分からもう一度遊びたいと口にした。
その変化が、私には印象に残っています。
もちろん、この一度の出来事から、その人がボードゲームに夢中になったとは言えませんよ。
それでも、実際に体験する前と後で、遊びに対する反応が変わることはあるのです。
さまざまな面白さを、1作品から試せる
ここまで紹介した『カタン』と『ごきぶりポーカー』だけでも、遊んでいるときに生まれる体験はずいぶん違います。
『カタン』では、資源を集め、交渉し、盤面の状況を考えながら開拓を進めます。
『ごきぶりポーカー』では、相手の言葉を信じるか疑うか、嘘を見抜けるか、といった駆け引きが生まれます。
ほかにも、みんなで協力して課題を達成するゲームや、言葉を使って発想を競うゲームなどがあります。
つまり、ボードゲームには、作品ごとに異なるルールや仕組みを通じて、さまざまな面白さを体験できる特徴があるのです。
しかも、その中には、短いルール説明ですぐに始められ、短時間で遊び終えられる作品もあります。
もちろん、一緒に遊ぶ人を集めたり、遊ぶ場所を用意したりする必要がある場合もあります。
誰にとっても、いつでも気軽に試せるよ、とは言いません。
それでも、条件が合えば、長い時間をかけて取り組まなくても、一作品を通じて、それまで知らなかった体験に触れることができます。
これが、私がボードゲームを試す価値があると考える理由です。
ただし、ここで大切にしたいことがあります。
次の作品を試すために、今遊んでいる作品を急いで終わらせる必要はないということです。
私がボードゲームカフェで大切にしているのは、目の前の1作品を、できる限り楽しんでもらうことです。
その作品が面白かったら、もう一度遊んでもいい。
別の作品に興味が湧いたら、そちらを試してもいい。
1作品だけで満足したなら、それでもいいのです。
さまざまな面白さに触れられることは、ボードゲームの特徴です。
でも、たくさんの作品を試すこと自体が目的ではありません。
だったら、ボードゲームも一度試してみませんか?
何かに夢中になれるかどうかは、実際に体験する前には分かりません。
そして、一度面白いと感じたからといって、そのまま夢中になるとも限りません。
それでも、何かに夢中になる経験には、最初の一回があるはずです。
ボードゲームには、作品ごとに異なる面白さがあり、その一つを短い時間で体験できる作品もあります。
だから私は、まだ知らない面白さに出会う選択肢の一つとして、ボードゲームを勧めたいのです。
もしかしたら、ボードゲームそのものが新しい趣味になることもあるでしょう。
あるいは、遊んでいる中で自分の好きなことに気づき、別の何かに興味を持つこともあるでしょう。
もちろん、何かを発見しなければいけないわけではありませんよ。
その1作品を楽しめたなら、それだけでも十分に価値のある時間だと私は思います。
私は、ボードゲームで人と対話することに夢中になりました。
あなたが同じところに魅力を感じるかどうかは分かりません。
私とは違うところに面白さを見つけることだってあります。
これを機にボードゲームも一度試してみませんか?
豊島区西池袋1-41-8 6F
店長 さこん
十佐近将典(じゅうさこんまさのり)
info@boardgamecafe.jp
03-6882-3946
●動画でボードゲームを知りたい人へ/社団法人ボードゲームYoutubeチャンネル(プロボド)
https://www.youtube.com/channel/UCWtpZkbeIHPhywNRM0r6y4A
●ボードゲームをちょっと遊んでみたい人へ!「今日のボドゲ」配信中!
https://x.com/going_stella
●ボードゲームカフェONEのオープン時間やボードゲームイベント情報はこちら。
インスタ(ONE公式)
https://www.instagram.com/boardgame_one/
X/ツイッター(池袋ボードゲームカフェONE)
https://twitter.com/ONE_0368823946
●ボードゲームカフェONEについて詳細(料金プラン/置いてあるボードゲーム/アクセス等)
http://boardgamecafe.jp
〇関連記事
何かに夢中になってる人って、まぶしくない?