ロストシティってどんなゲーム?
こんにちは!ボードゲームカフェONE、店長の左近(さこん)です。
「このカード、今出していいのかな?」
「もう少し待てば、いいカードが来るかも……」
「でも、待っていたらゲームが終わっちゃう!」
今回紹介する『ロストシティ』は、そんな悩ましい選択を繰り返す、2人用のカードゲームです。
ルールは比較的シンプル。
でも、一度遊んでみると、思っていた以上に考えることがたくさんありますよ。
ロストシティってどんなゲーム?
『ロストシティ』は、カードを数字の小さい順から並べて探検を進め、得点を競う2人用ゲームです。
基本情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレイ人数 | 2人 |
| プレイ時間 | 約30分 |
| 対象年齢 | 10歳以上 |
| ジャンル | 2人用カードゲーム・駆け引き |
| ゲームデザイン | ライナー・クニツィア |
| 日本語版 | ロストシティ完全日本語版 |
このゲームには、5色の探検先があります。
それぞれの色には2から10までの数字カードがあり、プレイヤーは自分の前にカードを並べて探検を進めていきます。
ただし、探検を始めるとコストがかかります。
カードを出したからといって、必ず得点が増えるわけではない。
ここがロストシティの大きな特徴です。
どうやって遊ぶの?
ルールを動画で知りたい方はこちらをどうぞ。
基本の流れはとてもシンプルです。
最初に、各プレイヤーは8枚のカードを持ちます。
自分の番になったら、次の順番で行動します。
- 手札からカードを1枚出すか、捨てる。
- 山札、または場の捨て札からカードを1枚引く。
これを交互に繰り返します。
カードを自分の前に出す場合は、色ごとに数字が大きくなる順番で並べなくてはいけません。
例えば、青の「4」を出したあとに、青の「7」を出すことはできます。
でも、そのあとに青の「3」を出すことはできません。
一度出したカードは戻せないので、どの数字から始めるかが重要になります。
探検にはマイナス20点のコストがかかる
ここが特に重要です。
探検を始めた色には、最初にマイナス20点のコストがかかります。
例えば、ある色で出した数字カードの合計が15なら、その探検の得点はマイナス5点です。
逆に、合計が30ならプラス10点になります。
探検を始めなかった色には、コストはかかりません。
つまり、何でも始めればいいわけではないんです。
賭けカードで得点が倍になる
ロストシティには、数字のない「賭けカード」もあります。
これは数字カードを出す前にのみ置けるカードで、探検の得点を置いた枚数に応じて2倍、3倍、4倍にできます。
ただし、倍になるのはプラス点だけではありません。
マイナス点も倍になります。
うまくいけば大きな得点になりますが、失敗すると大きな失点につながります。
※基本ルールでは、山札の最後の1枚が引かれるとゲームが終了します。公式ルールでは、3ゲームの合計得点で勝敗を決めます。
所要時間について
ロストシティのプレイ時間は約30分とされていますが、実際の所要時間は何ラウンド遊ぶかによって大きく変わります。
ルールブックでは3ラウンドの合計得点で勝敗を決めますが、私はお店で紹介するとき、基本的に2ラウンドをおすすめしています。
理由は、1ラウンドだけではカードの引きによる運の影響が大きいと考えているからです。2ラウンド遊ぶことで、その上振れや下振れをある程度平たくしつつ、3ラウンドよりも短い時間で勝負を楽しめます。
もちろん、1ラウンド遊んで十分満足したなら、そこで終えても構いません。
大切なのは、決められたラウンド数をこなすことよりも、自分たちが楽しめる時間の使い方を選ぶこと。
まずは1ラウンド遊んでみて、続けたいと思ったらもう1ラウンド。そんな遊び方もおすすめです。
ロストシティの面白がりどころ
ここからは、ゲームの仕組みを踏まえて、私が考えるロストシティの面白さを紹介します。
まずはゲームの前提を理解する
ロストシティには、全部で60枚のカードがあります。
最初に8枚ずつ配るので、山札に残るのは44枚。
仮に2人とも毎回山札からカードを引くと、1人あたり22回ほど手番が回ってくる計算です。
つまり、自分が出したり捨てたりできるカードは約22枚。
これを5色で均等に分けると、1色あたり4〜5枚になります。
ところが、探検を始めるとマイナス20点のコストがかかります。
仮に4枚の数字カードを出すなら、平均5で合計20点。これでようやくプラスマイナス0点です。
この数字から、あることが見えてきます。
すべての色を満遍なく進めるよりも、特定の色にカードを集中させた方が得点を狙いやすい。
もちろん、実際には捨て札からカードを引くこともあるため、手番数は変わります。
それでも、カードの枚数と得点の仕組みを理解すると、何を目指してプレイすればよいのかが見えてきます。
私は、ここがロストシティのスタートラインだと思っています。
相手の狙いが見えてくる

どの色に賭けカードを出しているのか?どの色の高めの数字を捨てたのか?相手の狙いを読む楽しさがあります。
ゲームの前提が分かると、今度は相手の行動が気になってきます。
例えば、相手がある色の大きな数字カードを捨てたとします。
相手の手札に他にもそのカードと同色のカードを持っていた時に大きい数字のカードを捨てるだろうか?と推測できます。
反対に、ある色の賭けカードを出したらどうでしょう。
その色で高得点を狙っているのでしょうか。
あるいは、すでに「9」や「10」といった大きな数字カードを持っているのでしょうか。
だとすれば、その色のカードを捨てると相手を助けてしまうことになります。
もちろん、相手の狙いが必ず当たるとは限りません。
でも、相手の出したカードや捨てたカードが、その人の考えを推測する手がかりになる。
そう気づくと、ロストシティは単に数字を並べるだけのゲームではなくなります。
始めるべきか、やめておくべきか
私がロストシティの大きな魅力だと考えるのは、探検を始めるかどうかの判断です。
手札に同じ色のカードが何枚かあれば、探検を始めたくなります。
でも、その先に必要なカードが来るとは限りません。
今あるカードだけで十分な得点を取れるのか。
それとも、もっとカードが集まるのを待つべきなのか。
探検を始めなければマイナス点にはなりませんが、得点も増えません。
得点を狙うには、失点のリスクを引き受けなければならない。
しかも、相手がどの色を狙っているのかによっても、自分の判断は変わってきます。
この判断が悩ましいんです。
出すのか、残すのか、捨てるのか
もう一つの面白さは、手札の扱いです。
数字カードは小さい順にしか出せません。
だから、今すぐ出せるカードでも、あえて手札に残しておく選択があります。
一方、使わないカードを捨てれば、相手がそのカードを拾って利用することもできます。
「自分には要らない。でも、相手には必要かもしれない」
そんなことまで考え始めると、カードを1枚捨てるだけでも悩ましくなります。
さらに、山札からカードを引けば、ゲームの終了が近づきます。
捨て札から引けば、山札を減らさずに手札を補充できます。
でもまだゲームに登場していない新種のカードは山札にしかありません。
カードを出す判断だけでなく、何を引くかという判断も、ゲームの残り時間に関わってくる。
こうしてゲームの仕組みを理解するほど、考えることが増えていきます。
一度遊ぶと見え方が変わる
ロストシティでは、ルール説明の段階で「マイナス点になることがあります」と伝えます。
でも、実際に遊んでマイナス点を取ってみると、その意味がより具体的に分かります。
特に賭けカードを使って失点まで倍になったときは、印象に残るでしょう。
以前、お店で初心者のお客さん2人がロストシティで遊んでいたとき、こんな言葉が出ました。
「1戦目は練習!もう一回やろう!負けたら勝ちたくなる。」
関連記事:『負けたままじゃ終われない!って思ったことない?』
説明を聞くだけではぼんやりしていたゲームの輪郭が、遊んでみることで少しずつはっきりしてくる。
最初は自分のカードだけを見ていた人も、ゲームの仕組みを理解すれば、相手のカードや残りの山札にも目を向けられるようになります。
そして、そこから新しい駆け引きが始まります。
理解するほど、次の勝負で試したいことが増えていく。
私は、そんな再挑戦の楽しさもロストシティの魅力だと思います。
どんな人におすすめ?
ロストシティは、2人でじっくり勝負したい人や、一手ごとの選択を考えるのが好きな人におすすめです。
特に、次のような人に向いていると思います。
- カードの出し方やタイミングを考えるのが好きな人
- 相手の行動から狙いを推測する駆け引きを楽しみたい人
- 負けても作戦を考え直して、もう一度挑戦したい人
一方で、運による結果の違いを強く嫌う人や、勝敗を競うより協力して遊びたい人には、あまりおすすめしません。
ロストシティでは、どのカードを引くかは自分で決められません。
だからこそ、与えられた手札でどう判断するかが重要になります。
また、得点計算には少し慣れが必要です。
最初の1回は、ゲームの流れをつかむつもりで遊ぶのもよいと思います。
おわりに
ロストシティは、数字を順番に並べて得点を競うゲームです。
でも、私が面白いと思うのは、カードを並べること自体よりも、その一枚を出すかどうか悩む時間です。
「ここで始めて大丈夫かな?」
「このカードは相手に渡したくないな」
「相手はあの色を集めているのかな?」
最初は分からなかったことが、遊んでいるうちに少しずつ分かってくる。
すると、今度は相手の考えを読みながら、自分の作戦を試したくなります。
そして、勝負が終われば、
「次こそ、うまくやってやる!」
そんなふうに考えながら、また遊びたくなる。
2人でじっくり駆け引きを楽しめるゲームを探しているなら、ぜひ『ロストシティ』を遊んでみてください。
基本情報の出典・参考資料
- グループSNE『ロストシティ完全日本語版』公式解説
- 『ロストシティ完全日本語版』付属ルールブック
- プロボドのロストシティルール動画
「面白がりどころ」はゲームの仕組みに基づく筆者の解釈として構成しています。店舗での発言やプレイヤーの様子は、ボードゲームカフェONEでの観察経験に基づいています。
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十佐近将典(じゅうさこんまさのり)
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