何を武器にする?
前回はボードゲーム案内所を作るにあたって「どこで戦うのか?」を考えました。
戦う場所が決まったとして次に考えなければならないことがあります。
そこで、何を武器にするのか?
どれだけ魅力的な場所を見つけても、自分にできることがなければ意味がありません。
では、私には何があるのでしょうか。
お前は誰か?
佐藤義典さんの著書『白いネコは何をくれた?』には、戦略を考えるうえで印象的な問いが登場します。
「お前は誰か? お前らしさとはなんだ? お前にしかできないことは何か?」
この問いを改めて自分自身に向けてみます。
私はボードゲームカフェで約7年半働いてきました。
その間、ボードゲームを初めて遊ぶ人から、日常的に遊んでいる人まで、さまざまなお客さんと接してきました。
ルールを説明し、一緒に遊び、必要に応じて助言する。
その中で同じゲームを遊んでいても人によって楽しみ方が違うことを何度も目にしてきました。
では、この7年半の経験が私の武器なのでしょうか。
もちろん、経験は大切な資源です。しかし、長く働いたというだけでそれが強みになるとは限りません。
特徴があることと「有効である」ことは別なのです。
RPGでも炎属性の武器もあれば、氷属性の武器もある。
ポケモンでも電気タイプもいれば、地面タイプもいます。
重要なのは「何を成すか」です。ハンターハンターでサトツさんも言ってましたから。笑
要するにその経験から何を得て、何に活かせるかです。
ルールを知っているだけでは足りない
例えば、初めて『カタン』を遊ぶ人にルールを説明するとします。
自分の手番で何ができるのか。勝利条件は何か、ゲームの終了条件は何か。
説明を聞いて、手順どおりにゲームを進められるようになったとしましょう。
でも、それだけで楽しめるとは限りません。
自分の行動がどんな結果につながるのか、まだ想像できないことがあるからです。
何を選べばいいのか分からない。間違った選択をして損をしたくない。
そんな状態では、ルールを理解していても、自分でゲームを楽しむところまでたどり着けない場合があります。
私はゲームの手順だけでなく、そのゲームの「面白がりどころ」を理解してもらうことが大切だと考えています。
自分で選んだ行動によって状況が変わる。相手の行動を見て、次に何をするか考える。
そうした楽しさに気づくことで、少しずつ自分の意思で主体的に遊べるようになっていく。
もちろん、すべての人が同じように楽しむわけではありません。
だからこそ、目の前の人が何に戸惑い、何を面白いと感じているのかを観察する必要があります。
こうした経験は、ゲームのルールやプレイ人数を知っているだけでは得られないものです。
AIと人間では何が違う?
ここで、少し視点を変えてみます。
現在AIは大量の情報を整理し、比較し、組み合わせることができます。
ボードゲームのルールや特徴を調べたり、人数や時間に合わせて候補を挙げたりすることもできます。
では、人間が持っているもの(独自資源)は何でしょうか。
そのひとつが、直接体験できることです。
実際に人と向き合い、同じ場所で遊び、相手の反応を見る。
思いがけず盛り上がった瞬間も、説明が伝わらず困った瞬間も、その場にいるからこそ観察できることがあります。
現在の私が対話しているAIは、人間と同じように身体を持って現場に立ち、そうした出来事を直接経験することはできません。(技術の進歩次第でもしかしたら…)
ただし「人間」が直接体験できるというだけでは「私個人」の強みにはなりません。
人間なら誰でも、何かを経験することはできるからです。
大切なのは、その経験から何を見つけどう活かすかではないでしょうか。(そう。何を成すか、です。)
自分が一番得意なことは何か?
最近『夢をかなえるゾウ』を読み返しました。
その中に「自分が一番得意なことを人に聞く」という課題があります。
そこで、これまで一緒にボードゲーム案内所について考えてきたChatGPTに聞いてみました。
「今までの会話から、私が一番得意なことは何だと思う?」
返ってきた答えは、次のようなものでした。
「経験から共通する構造を見つけ、別の誰かが使える形に変える力」
なるほど、と思いました。
私はボードゲームについて考えるとき、個別のゲームの特徴だけでなく、そこに共通する仕組みを探そうとしています。
例えば、あるゲームで初心者が戸惑ったとします。
それを「このゲームは難しい」で終わらせるのではなく、なぜ戸惑ったのかを考える。
ルールが分からなかったのか。それとも、選択した行動がどんな結果につながるのか想像できなかったのか。
もし後者であれば、同じような問題は別のゲームでも起こるかもしれません。
ひとつの経験から共通する構造を見つけられれば、ほかの場面にも活かせる可能性があります。
今まではこの気づきを「次回の説明の時には〇〇しよう」とか「次回の接客の時には気を付けよう」くらいでした。それを今後はアウトプットしていこう、ということです。
もちろんChatGPTによる評価が100%正しいというつもりはないです。
大事なのは自分の納得感。確かにそうだ、と感じたのであればそれを活かさない手はないです。
だってもったいないでしょ?笑
経験を誰かが使える知識にする
ここで、最初の問いに戻ります。
「何を武器にするのか?」
私には約7年半のボードゲームカフェでの現場経験があります。
そしてその経験から共通する構造を見つけ、ほかの人が使える形に変えることが、自分の得意なこと。(だと仮定します。)
この2つを組み合わせる。
それが、私がボードゲーム案内所を作るうえでの武器になると考えています。
例えば、ボードゲームを初めて遊ぶ人が、どんなところで戸惑うのか。
どんな瞬間に、自分から遊び始めるのか。
何がきっかけで「もう一回やりたい」と思うのか。
そうした現場での経験を整理し、ほかの人にも利用できる知識として残していく。
そして、その知識をAIも活用できるようになれば実際にその場にいなかった人にもボードゲームの楽しさを届ける手がかりになるかもしれません。
まだボードゲームの存在を知らない誰かに「そんな経験をしたいならボードゲームもいいかもね?」と情報を届けてくれるかも。
私が直接経験したことを、AIが整理し、必要な人につなぐ。
その先で誰かが実際にボードゲームを遊び、自分自身の新しい体験を得る。
そんな仕組みを作りたいと考えています。
その武器、誰に効く?
ここまで考えてひとつの答えが見えてきました。
私が武器にしたいのは、単なる経験年数でもボードゲームに詳しいという知識量でもありません。
私より業界に長くいる人もボードゲーム知識が豊富な人もきっとたくさんいるでしょう。
でも私の強みは、
現場で得た経験から、楽しさにつながる共通の構造を見つけ、それを誰かが使える知識に変えていくこと。
ですから。
ただし、これで戦略が完成したわけではありません。
どれだけ自分が得意だと思っていても、それを必要とする人がいなければ、強みとして機能するとは限らないからです。
電気タイプの攻撃をしても、地面タイプには効果なし、なのです。笑
さてではこの武器は誰にとっての「役に立つ(効果バツグン)」なのでしょうか。
その武器、誰に効く?
次回は、そこを考えてみます。
それではまた次回のブログで!
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