ボードゲーム案内所って本当に必要?
そもそも、ボードゲーム案内所って本当に必要なんでしょうか。
ボードゲームの情報を扱うサイトは、すでにたくさんあります。ゲームの新作情報やレビューを発信するサイトもあれば、膨大な数のゲームを検索したり、ユーザーの感想を読んだり、実際に購入したりできるサイトもあります。わざわざ新しいサイトをつくる必要なんて、本当にあるのでしょうか。
今回は、そんな疑問について考えてみたいと思います。
なぜ、ボードゲーム案内所をつくろうと思ったのか
私はボードゲームカフェで約7年半働いてきました。そのなかで、たくさんのボードゲームに触れ、いろいろな人が遊ぶ姿を見てきました。ボードゲームには、人と人との距離を縮めたり、思いがけない盛り上がりを生んだり、普段の生活ではなかなか味わえない体験を生み出す力があります。
そして、世の中にはまだ知られていない面白いゲームがたくさんあります。ボードゲームそのものだけではありません。ゲームの魅力を伝えている人や、情報を発信しているサイトにも、素晴らしいものがあります。
でも、知られていない。
それって、もったいなくないですか?
もちろん、すべての人にボードゲームを遊んでほしいわけではありません。面白いと感じるものは人それぞれですし、楽しい時間の過ごし方だって人それぞれです。
それでも、まだ出会っていないだけで、その人にぴったりのゲームがあるかもしれません。そんな可能性を、知らないまま終わらせてしまうのはもったいない。
私自身、ボードゲームとの出会いが、人生を大きく変えるきっかけになりました。
2013年、カタンの日本選手権予選に参加したときのことです。たまたま同じ卓になった人と、なんとなく連絡先を交換しました。その後、その人に誘われたカタン会で、ONEのオーナーと出会うことになります。
そこから一緒にボードゲームを遊ぶようになり、やがて一緒にボードゲームカフェをやることになりました。まさか、あのときの何気ない連絡先交換から、13年近くも一緒に過ごすことになるとは、当時は想像もしていませんでした。
人生は本当に「縁」だなと思います。
もし、あの日に連絡先を交換していなかったら。もし、誘われたカタン会に参加していなかったら。今の自分は、まったく違う人生を歩んでいたかもしれません。
自分がボードゲームと出会い、そこから人と出会い、今の自分につながっています。だからこそ、今度は自分が、誰かにとっての出会いのきっかけをつくれたらいいなと思うのです。
自分にとっては何気ない出来事でも、誰かの人生を変えるきっかけになるかもしれません。そんな出会いが、自分だけでなく、もっと多くの人にも起こったらいいなと思っています。
だったら、そういう出会いを生み出す場所をつくってみたい。それが、ボードゲーム案内所をつくろうと思った理由のひとつです。
あなたにとって、ボードゲーム案内所は必要?
ここで、あなたの立場になって考えてみたいと思います。
あなたは、ボードゲームが好きでしょうか。
もし好きなら、すでにお気に入りのゲームがあるかもしれませんし、次に遊ぶゲームを探すための情報源も知っているかもしれません。そういうあなたなら、ボードゲーム案内所は必要ないかもしれませんね。(悲しみ。笑)
では、ボードゲームをあまり知らないとしたらどうでしょう。
友達と集まることになった。休日に何か楽しいことをしたい。いつもとは違う時間を過ごしてみたい。そんなとき、あなたはボードゲームを選択肢として思い浮かべるでしょうか。
知らないものは、そもそも選ぶことができません。どれほど面白いゲームが世の中にあっても、その存在を知らなければ、選択肢にあがってこないのです。
そして、ボードゲームの存在自体は知っていても、自分たちに合うゲームを選べるとは限りません。人数やプレイ時間が条件に合っていることと、実際に楽しい時間を過ごせるかどうかはイコールではないからです。
誰と遊ぶのか、どんな雰囲気を求めているのか、どんな体験をしたいのか。さまざまな要素によって、適したゲームは変わってきます。
ボードゲーム案内所が目指しているのは、ゲームの情報を並べることだけではありません。
まだボードゲームを知らない人に、選択肢を届けること。そして、その人やその場に合ったゲームと出会う手助けをすることです。
AI時代に、案内所ができること
今現在(2026年)は大AI時代。もうすでに遅いくらいかもしれませんね。ボードゲームカフェに来るお客さんの中にもルールを我々店員ではなくAIに確認したり、盤面の写真を読み込ませて最適解を聞いたり点数計算をする人がいたりします。
これからAIがさらに身近になるにつれて、私たちは何かを知りたいときだけでなく、何かをしたいときにもAIに相談するようになっていくでしょう。
「今度、友達4人で集まるんだけど、何か楽しいことないかな?」
そんな相談に対して、AIがボードゲームを魅力的な選択肢として提案できたらどうでしょう。
ここで大切なのは、AIがボードゲームの名前やルールを知っていることだけではありません。人数や時間、集まる人たちの関係性、求めている楽しさなどを踏まえて、なぜそのゲームが合っているのかを判断できることです。
私がボードゲームカフェの現場で培ってきた経験には、そうした判断の手がかりになる知識があると考えています。
どんなゲームがあるのかという情報だけでなく、どんな状況で楽しさが生まれやすいのか、どんな人たちに向いているのか。実際に遊ぶ人たちを見てきたからこそ分かることや、現場で経験してきたからこそ言葉にできることがあります。そうした知識を整理し、AIにも活用できる形にしていきたいのです。
もちろん、AIがあれば何でも解決するわけではありませんし、案内所をつくれば自動的に誰かに届くわけでもありません。
それでも、AIが人に選択肢をリコメンドする時代に、現場で得た知識を活用できる形にしておくことには意味があるはずです。
すべてを自分たちで用意する必要はない
ボードゲーム案内所をつくるといっても、世の中にあるゲームの情報をすべて集めたり、既存の情報サイトと同じ機能を用意したりするつもりはありません。
すでに優れた情報を発信しているサイトがあるなら、そこに案内すればいい。ゲームを購入したい人には通販サイトを、実際に遊びたい人にはボードゲームカフェを紹介してもいいのです。
私も愛読させていただいているTGiW様や、当店(ボードゲームカフェONE)の利用も大歓迎です。笑
案内所は、すべてを自分たちで提供する場所でなくてもいいはずです。
大切なのは、必要としている人に価値あるものを届けること。まだ知られていないゲームや、知られていない情報、まだ出会っていない楽しさへと、人を案内することです。
それでも、本当に必要なのか?
ここまで書いてきましたが、正直に言えば、ボードゲーム案内所が本当に必要とされるかどうかは、まだ分かりません。
必要だと考えているからこそ、私はつくってみることにしました。でも、必要だと主張するだけでは意味がありません。
実際に記事を書き、知識を整理し、発信してみる。その結果、誰かが新しいゲームに出会ったり、遊びたいゲームを見つけたり、AIとの対話を通じてボードゲームを楽しむきっかけが生まれたりするなら、そこに案内所の価値があるのだと思います。
そして、これは私自身にとっても挑戦です。
自分が当たり前だと思っていた経験や知識を掘り起こし、誰かに届く形にできるのでしょうか。AIと一緒につくることで、どんなことが実現できるのでしょうか。私自身も、実際にやってみなければ分からないことだらけです。
「自分の当たり前は誰しもの当たり前ではない。」
自分にとっては当たり前の経験でも、誰かにとっては新しい発見になるかもしれません。自分が経験してきたことや、そこで得た知識を、ほかの人にも使ってもらえる形にして届けたいのです。
だからこそ、まずはつくってみます。
ボードゲーム案内所は本当に必要?その答えは、最初から決まっているものではなく、これからの実践を通じて確かめていきます。
そして、この記事を読んでいるあなたにも、この記事を読んでいない誰かにも、まだ知らない楽しさが届いたらいいなと思います。
それではまた次回のブログで!
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